世界はあなたのコレクション

出掛けた場所で見たこと・読んだもの・考えたことを、いつか誰かと共有するために。

柔らかい感じの文章、過ぎ去るところ

きのう新宿御苑に行ってきました。これから毎週通おうと思っていて、昨日が初日でした。8月6日。

なお瑣末なことですが、最初ぼくは「きのう」と書き、次いで「昨日」と書きました。これは変換ミスではなく、自分なりのちょっとした拘りです。漢字が何文字も続くのがあまり好きではないぼくは、漢字だけの言葉の前後に別の漢字だけの言葉を置くことをなるべく避けるようにしています。例えば「幻想文学愛好家」と書けばよいところを「幻想文学の愛好家」と記すよう努めたりしています。

そうした方が文章が柔らかい感じになる気がしていて、もちろんあくまで個人的な「感じ」に過ぎないとはいえ、もう何年も前からそうやって書いています。この心掛けのせいで、ときに文章がスムーズに流れて行かなかったり、やや見慣れない言葉遣いになったりすることがありますが、それでもなおぼくは上記の原則を遵守しています。当然例外もあります(この「当然例外」という書き方もその一つと言えるかもしれません)。読み手に奇異な印象を与えない程度にこの規則を自らに課しているというわけです。

 

いきなり話が脱線してしまいました。

昨日ぼくは新宿御苑に行きました。人生で初めて行ったわけではないのですが、敷地内の地理をまるで把握していなかったので、文字通りぐるぐる彷徨いながら汗だくになりながら、敷地の広さを体感していました。和菓子と抹茶を頂けるところがあったので、そこに入り思いがけず涼を得て、しばらく蝉時雨を聞きながらぼんやりと過ごしました。抹茶を頂いたのは実は人生で初めてで、意外と甘いのに驚きました。その茶寮にはぼく以外にお客が誰もおらず、8月6日の12時を静かに過ごしていました。

お茶を出してくれた方に少しお話を伺ったところ、この時期には毎日30人くらいのお客さんが茶寮を訪れるそうで、人によっては2時間も涼んでいくらしい。30人のうち半分以上は外国人だそうで、確かに新宿御苑を行き交う人たちの多くが白人でした。

しばらく涼んでいるとやがて少し寒くなり、冷房が効き過ぎていると感じました。外から入った瞬間は冷気に生き返る心地がしましたが、長居するには冷房が強過ぎるのでしょう。やはり一息つく場所ということなのかもしれません。留まるところではなく、過ぎ去るところ。

 

それから敷地内のレストランで昼食を頂き、落ち着いて本を読める場所を探しにまた外に出ました。でももう随分長く書いてしまったので、その話は次回。「似ていること」について書きたいなと(今は)思っています。