世界はあなたのコレクション

出掛けた場所で見たこと・読んだもの・考えたことを、いつか誰かと共有するために。

再び新宿御苑

色々あって、新宿御苑に行くことになりました。およそ2ヶ月ぶり。

ここのところ資料集めに奔走しており、その煽りで朝から不機嫌だったぼくは、出先からの帰宅途中、新宿御苑に立ち寄ることにしました。

前回行ったのは、どうやら8月30日らしいです。

以前ぼくは新宿御苑に「来た」と表現していましたが、今日は「行った」と書いています。無意識にしたことでしたが、これがもう随分長いこと御無沙汰だったことを物語っています。

2ヶ月前の猛暑がまるで夢だったように思えてきます。「たった2ヶ月」とも言えるのに、遥かな時を越して来たような、越して来てしまったような場違いな感覚。戸惑い。狼狽え。

元来ぼくは時間の進むのを意識するのが好きではなくて、いつまでも「いま・ここ」に留まりたい、いやむしろ遡りたいと願う性情の持ち主ですから、今日みたいに時間の経過を否応なく意識させられてしまうと、少しばかり不安になります。

今ぼくを不安にさせるほど今日の新宿御苑は寒かったのでした。午後から晴れると言う天気予報を天気は裏切り、新宿の空はどんよりと曇っていました。その空を遮る木叢の一枚一枚の葉はテラテラ光り、歩道には雨の重みに耐えきれなくなった茶色い葉っぱが幾枚も落ちて、アスファルトにへばり付き、あるいは土に同化しようとしています。

雨上がり特有の湿気、と言うより水気で空気がうるうるしているのが感じられ、ぼくはこの感じは好きなのでちょっとホッとしました。都会の喧騒はここでは耳に入らず、そのことも相俟って、予期していなかった安心感に胸が落ち着くのが分かりました。

ぼくは再びここに通い、再びここで本を読み、自然を眺め、物を考えることにします。

(つづく)