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世界はあなたのコレクション

出掛けた場所で見たこと・読んだもの・考えたことを、いつか誰かと共有するために。

訳す、盗み聞く

(つづき)

新宿御苑の食堂「ゆりのき」で遅い昼食を取りました。

そのあと持参した英書を取り出して、翻訳開始。今月の初め頃から文学の研究書を日本語に訳しているのです。ただ、この10日間程は他の予定が押しており、毎日1頁だけしか訳せません。というか、1頁だけ訳すようにしています。それでも1時間以上かかります。もちろん、読むだけならそんなにかかりませんが、日本語に移し替えるとなると、悩ましい問題が次々と出て来て、どうしてもたくさんの時間がかかってしまいます。

ベテランの翻訳者なら、ひょっとするとサラサラ訳してしまえるのかもしれませんが、自分にはとても無理です。いちいち最適な日本語を考えていると1時間どころか1日経ってしまいそうなので、とりあえず下訳を作る気持ちで、適当に手を抜いています。それでも1頁1時間以上です。

残りはまだ350頁あって、気の遠くなる作業ですが、ルーティンワークにしようと目論んでいます。やはり勉強は継続が大事です。

ところで、翻訳している途中、近くの席に座っているカップルから何やら刺々しそうな会話が聞こえてきました。いや、具体的に何を言っているのかまでは聞き取れませんが、口調が刺々しいのです。詰問というか、静かに口論している感じ。

はぁ、やれやれ。やれやれだぜ。新宿御苑の食堂で何をやっているんだこの連中は。自分の中のいやあな記憶が思い出されてきて、鬱々とした気持ちに沈みかけましたが、必死に目の前の英語に集中しようとしました。でも、目は閉じることができても、耳は閉じることができません。嫌でも聞こえて来てしまいます。

やがて去ってゆきましたが、黒い波紋を残してゆきました。

いろんな人がいるもんですよ。